建築確認申請は本当に必要か【その2】
2021/04/08
皆様、こんにちは。
前回の続きです。
行政の取り扱い基準について
先の「灰色」の取り扱いについて、各地方公共団体別で、公開されている基準は、インターネットでも大半は入手できる様になってきました。
名古屋や愛知県は、取扱い基準を明確な指針として、早くから「書籍」で示してきました。
関東になれば、前から横浜や世田谷などは、取扱いを「本」でなくても、データ上で明確に発信している所もある。
2013年に建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例を示してくださった。
しかし、個別の地方公共団体単位の判断基準においては関東圏では、明確な指針を意外と発信してない行政も数多い。
内部規定は明確にしてほしい。
建築確認申請の提出に伴い、概要書を添付するが、やがて行政に報告がいく。
概要書の第三面には、配置図を記載するが、記載内容は、その下欄に明示事項がある。これ以上、記載を要しないはずが、最終桝の位置や、軒高を明示する事を求められたりする。
また、東京都では、完了時に「設備工事監理状況報告書」の書面の提出物がある。
これに、原則として「設備に関する写真」を添付する事になっている。
しかし、23区内でも、区によっては、添付不要なところもあるが、有無を指示してくれる情報元は、明確には分からない。
地域性で異なる現象があれば、せめて地域性に特化した民間審査機関で、その地域特有の指針や明示事項を一覧表やリンクで、発信してくれれば思うのです。
審査の内容について、
審査の一員をしていた頃、審査には、大きく分けて2種類あると思った事があります。
確かに、規則には、明示事項があり、記載がなければ、明示をお願いする事です。
しかし、大局的にみて、そんなに拘らなくても、法には抵触せず、大きな問題にならない事がある場合と、詳細に見分して事実確認を精密に見分を要する事がある場合の2種類あるのです。
現在の民間審査機関の審査内容は、前者の法には抵触しないが、明示事項をしっかり守る事を厳守している機関が多く存在します。
行政から審査請求があった場合に備えて、神経質にこの原則論に忠実に行っているという事です。
決して悪いわけではないのですが、
一方、役所は、大局的に抵触がない場合であれば、詳細にまでこだわっていない事も、よくある話です。
「民間は厳守」し、「役所はおおまか」であることに、人間らしさと矛盾を感じるのは私だけでしょうか。
詳細な審査は、確かに違反性をなくし、不透明感を払拭できます。
しかし、詳細な根拠を求められた場合に、設計者側には、大きな労働の負担を与えている事を審査側にも理解して欲しいものです。
審査側でも、民間審査機関と監督庁の行政では、若干意識が異なり、民間は負担を強いている事を理解している方も多いのですが、役所からの報告や勧告に怖がって、詳細審査を神経質に従っているも現状です。
そもそも、審査請求なるものが民間審査機関のバランスのよい審査内容を阻害しているとも言えます。
建築主事のいる役所の方がおおざっぱな審査内容で、民間が神経質な審査をしているというのは、皮肉なものです。
現在、働き方改革などで、効率化を求められる方針です。
行政で決めた書式は、この効率化とは反比例な事で、同じ内容を何度も記載をしたり、前に提出した書類で確認のできる記載をまた、違う書式に記載をする事が珍しい事ではありません。
これは、提出側の設計者や代理者、監理者もさることながら、審査機関にも大きな労力を要する事になっています。
必要な事を申告するのに、なぜ同じ内容を共有し、データ化が進まないか不可思議な現象
です。
政府の指針は、崇高な指針を掲げますが、
実務レベルでは、行政の内容は、簡素化されず、民間いびりに似た、反則的な対応をしていると言える状況でしょう。
また、政治レベルは、この状況を、理解しないで方針を打ち出すのも、末端の設計者には負担であり、
かつての太平洋戦争時の軍人と大本営の関係と、類似する分化が継続されているとも言えます。
次回に続きます。
ご拝読有難うございました。