「主婦」と「家」
2021/04/25
最近、「知ってるワイフ」というドラマを見ていました。
離婚危機に迄なった家庭で、凶暴化した妻を、過去に戻って、別の妻と人生をやり直すというドラマだった。
当初は何気なく、視ていましたが、回が進むごとに、夢中になりました。
豹変して激高する妻の表情が印象的で、離婚した私にもいくつも、思い当たる節があった。
感想は、自分の元妻に対しても「かわいそうな思いをさせてしまった」と正直に思いました。
深く反省し、後悔しました。
家のことを細々としていますと、家はやっぱり、「女性のもの」だと思う事があります。
工事などの資金計画や最終的な承認や決断は、ご主人がするケースがほとんどです。
しかし、打合せなどの計画課程や内外装のイメージなど、大半は奥様です。
考えてみれば、家庭の、家事、掃除、洗濯、子育てなど、大半は家です。
痛感するのは、家内がいなくなって、随分、家事も掃除も洗濯も大変だと思う様になりました。
料理でも、キッチンに対するこだわりが芽生えるのもうなずける事も間違いなしです。
収納の方法によっても、入れ方やジャンル分けし整理方法で変わりますので、ただあればいいだけの
物入や納戸より、より具体的にどの様な棚の構成がいいかを考えたりします。
そもそも、家と女性の関係は、言葉としても多く存在します。
家に女で、「嫁」でよめです。
「奥様」の呼称も、家の間取りから、奥の間からだと言います。
「勝手」も、弓道で,弓を支える左手を 「押し手」 であり,矢を持って弦を引く右手を「勝手」といったという説があり、女性が自由に使える台所を勝手と呼ぶようになったと言います。
家には、屋根が▲形状に見える方を「妻側」と呼びます。
対して■形状に見える方を「平側」と呼びます。
かない「家内」も奥様の呼び方ですね。結局、家基準の呼称です。
おんなの「婦」は、「ほうきを持つ女性、掃除をする女性」を表す、とされています。
家と深くかかわった、漢字だと思っていました。
中国で紀元1世紀ごろに作られた『説文解字(せつもんかいじ)』という字書に載せられている解釈で、この解釈は20世紀に至るまで、長い間支持されてきたものだそうです。それに対して、最近の研究では、少し違う様なのです。紀元前の中国では、神殿の中を清めるために用いられる道具であって、単純な掃除道具というよりは、宗教的な儀式に用いられる重要な道具だったというのです。
そういえば、主要な建物をおもや「母屋」と書きます。
「母」は、当然女性ですので、肝心の建物は、母が基準ですので、父系ではなく、「母系呼称」なのでしょうね。
「家」と「庭」で、「家庭」ですので、単独呼称ではなく、複合的で家族的な呼称なのでしょうか。
近年、女性は、家に縛られない自在なライフスタイルで、社会的進出が目覚ましくなっています。
もろ手を挙げて、賛成していますし、喜ばしい限りです。
子供も自立を始め、家内のいない私にとっては、「家」とは何かを考える日々です。
建築で生業をしている私にとっては、「家」を考える事は、「女性」を考える事である様に思うのです。
掃除、洗濯、家事などまぎれもなく「生活」であり、余計に「知ってるワイフ」でいう、
日々の何気ない日常は、「かけがえのない日々」である様に思うのです。
今日は、この辺で。
ご拝読有難うございました。