杉板の外壁9(窯業系サイディングVS杉板 価格比較編)
2026/04/18
杉板縦張りと窯業系サイディング縦張り
過去、幾度となく依頼者から、「外壁の杉板はどうですか?」と訊かれました。
しかし、概算で、比較をする程度で、厳密なシュミレーションをしたことがありませんでした。
今回、ブログに記載する為に、しっかり検討をしようと考えてみました。
比較条件は次の通りです。
1、出隅の部分を含み、同条件・同一面積として比較します。
2、同工法や同一材料はお互いに共通のものは、省略します。
3、お互い長さ3,030にして、高さ4,550~4,600で検討する事としました。
4、開口部や給排気口はないものとします。
5、積算時、面積や長さは、小数点第一位までとし、繰り上げ計算とします。
6、DIY行う工事は、比較的難易度の低いもので、施工品質などに影響のなさそうなものとします。
ですから、今回で言えば、コーキング打設はプロが行う事とします。
その他は、全てDIY施工とします。
下地材
まず、考えければ、ならないのが下地材の違いです。
法23条地域と仮定し、防火構造を想定します。
サイディングであれば、サイディング自体に性能を有しておりその為、下地は
ノボパン 厚さ9mm×910×3,030で行う事にしました。
杉板の場合は、木毛セメント板 厚さ15mmで防火性能を確保し
木毛セメント板 厚さ15mm×910×1,820としました。
ノボパン ¥2,740×5枚=¥13,700
木毛セメント板¥2,310×8.8枚=¥20,328
なお、通気防湿シート及び、通気胴椽、防水テープは共通部材、共通数量と仮定して、検討を省略します。
窯業系サイディング
サイディングの場合、同厚さでも価格帯に開きがありますので、
ニチハ キャスティングウッド プレミアムあたりで定価¥9,800とします。
サイディング本体材 厚さ16mm×455×3,030×10枚、
土台水切り3,030、及びコーナー役物、通気廻り椽3,030及び出隅コーナー役物、
土台水切りジョイナー、スターター3,030、縦張り用出隅コーナー3,030、
補修液セット×0.2、コーニング下地の両ハットジョイナー、
サイディングの留め金具、留めビス、コーキング剤が主なものです。
土台水切りと通気廻り椽はガルバ製の既製品を用いる事としました。
サイディング本体¥4,430×10枚=¥44,300
出隅コーナー ¥12,860×1.5本=¥19,290
補修液セット ¥1,750×0.2set=¥400
スターター ¥1,000×1本=¥1,000
留め金具、 ¥ 125×70個=¥8,750
メーカー送料 ¥1,000
通気廻り椽 ¥1,630
通気廻り椽 出隅コーナー¥1,130
土台水切り ¥870
土台水切り 出隅コーナー ¥720
土台水切り中間ジョイナー ¥270
両ハットジョイナー ¥230×2.5本=345
上記送料 ¥200
変性シリコン剤 ¥1,400
土台水切り留めSUSビス ¥530
コーキング打設工¥630×7.7m=¥4851
そうしますと、合計はノボパンを含めて、約¥102,000です。
*送料は本来、重量や大きさで定まります。
実際の見積では、一式¥2,000~¥10,000程度と幅があります。
今回の検討は全体工費を予測し、部分比較ですので、その分を按分して計上しました。
¥200など現実的にはありえない価格ですが、ご了承ください。
杉板の外壁
杉板の場合、杉赤小節の箱実付材 150×24×5,000×21枚
SUS製ロール布目頭釘L50、
ガラス塗料2回塗り(1回目は、両面塗布、2回目は表面のみ)
廻り椽:杉45×45×3,030、SUS製釘が主な材料です。
杉板の出隅は、杉板が24mmの厚さがあるため、勝ち負けの釘留めで納め、出隅のコーナー部材は、不要と考えます。
また、土台水切りも不要としました。
コーキング打設は、外壁と廻り椽の取り合いにする事とします。
杉赤小節箱実製材加工板¥3,420×21枚=¥71,820
SUS製ロール布目頭釘¥7×129本=¥903
廻り椽:杉赤材45×45 ¥2,230×1本=¥2,230
片ハットジョイナー2,000¥160×1.5本=¥240
変性シリコン剤 ¥1,400
コーキング打設工 ¥630×3.1m=¥1,953
ガラス塗料
杉板に塗布するガラス塗料の使用する見積をしてみます。
ガラス塗料はビアンコートWのカタログを参照しております。
1ℓ¥23,940で1回目塗布量40~50g/㎡で、2回目20~30g/㎡です。
分かりづらいので、お互いの平均塗布量値は1回目45g/㎡、2回目25g/㎡とします。
次にグラムgをリットルℓに変換すると1g≒0.001Lですので、
お互い、0.045ℓ、0.025ℓとなります。
外壁及び廻り椽面積は14.8㎡です。
1回目の塗布面積は両面塗りで倍面積の29.6㎡、2回目は14.8㎡です。
これらから、平均塗布量ℓ/塗布面積㎡=ガラス塗料の使用料金を算出します。
1回目 0.045ℓ /29.6㎡=0.00152、
2回目0.025ℓ /14.8㎡=0.001689
合計0.003209 ℓ/㎡
1ℓ¥23,940×0.003209ℓ≒¥72で、¥80とします。
合計は木毛セメント板を含めて、約¥102,000程度です。
コスト比較の結果
窯業系サイディング厚さ16mm 約¥102,000
杉赤箱実板厚さ24mm×150 約¥99,000
で杉板は、サイディング材 ほぼ同額の結果でした。
過去では、杉板の方が圧倒的に割高でした。
塗料にも革命的なガラス塗料が登場し、古来からの塗装で、弁柄+水+松煙+ゴマ油は、省略ができました。
従来のオイルステインの外壁塗布を選定するには、塗装能力に不安があり、設計者としては抵抗しておりました。
また、近年メーカーよる度重なる値上げが段階的に起きています。
一方、無垢材などの国産材の価格上昇率は緩やかであり、一時期のウッドショックもピークダウンした事が要因なのでしょう。
無垢材が高級品などの概念は、1980年代から国策やメーカーに、すりこまれたものだと判明し、目の覚める結果となりました。
また、サイディングでも、価格帯を下げれば、当然同額とはなりません。
なお、比較した時点は2026年3月であり、
比較対象面積や部位の異なる事で、総工費を考慮する上では、比較結果は参考にならない事もあると思われます。
また、仕入れ原価の違いや材料高騰で価格値に相違があると思います。
読者の方々の参考になれば、幸いです。