石の大様 御影石って本当の名は花崗岩です。特徴は?2回目
2020/04/10
みなさま、こんにちは。
職人バッカの千葉でございます。
国が非常宣言をして、不自由な生活をされていると思われますが、いかがお過ごしでしょうか。
時間を持て余している方には、こんなマニアックなブログは、
時間つぶしには、調度よいかも知れませんが、しばしお付き合いください。
また感謝いたします。
さて、前回に引き続き、花崗岩の話をします。
値段でいえば、石の値段は、産地と希少性です。
似た石でも、産地で随分、値段も違います。
結婚式場で使われている、白い大理石ですと、
イタリア産のビアンコは高いのですが、類似品ですとトルコ産は、比較的安価です。
似ただけですので、厳密に比較しますと、やっぱり模様や色合いは数段、相違します。
もとの話題ですが、石の値段は、一般的にいえば、
色が濃いものとキラキラが含まれているかで、価格も上がります。
このキラキラが、石に色気と艶を与えます。
キラキラの特徴的な石を一つ紹介します。
当社の玄関ドアの沓摺には、ブルーパールを使っています。
ノルウェー産で、石英の石目が荒く、模様は豪快ですが、暗い部分にほのかな光があれば、石英がキラキラ輝いて、品格高く演出してくれます。
石英はあまり見受けませんが、
美しい模様で言えば、真っ赤な美しい石は、ニューインペリアルレッドです。
模様は、なんとなく錦鯉を連想します。
インドの南西部で採掘される石で、フロントのカウンターなどで一度は見たことがあると思います。
石は一種類で使用するワンパターンもよいのですが、
石の種類を多数混ぜて演出するパターンも、お互いの色、艶、肌目の違いが際立って、風格深く感じたりします。
貼り方にも違いをつけるとよいでしょうか。
花崗岩の建築の用途では、主に外壁や、玄関の床、浴室に使います。
庭では、ピンコロと呼ばれるサイコロ状の石を敷き詰めたり、縁石にしたりします。
棟の軒先に銅で巻いてある風景も、同様の理由です。
代わり種は、玄関などの庇を支える柱の下に、沓石に使ったりします。
沓石は、安いものでは、コンクリート製がよく見ますが、コンクリートの表面より、石の方面が平滑である為、雨のはけるのが早く、上の柱が腐食しづらいと思います。
更に上等な仕上となりますと、沓石の上の柱の下端に銅を根巻きします。
銅は「緑青:りょくしょう」という「あおさび」が発生して、腐朽菌などの繁殖を抑えます。
花崗岩は、墓石などでもよく使われます。
理由は定かではありませんが、風化しづらい事と比較的浸透性が低いことだと思います。
花崗岩は、本当に丈夫な石ですが、もちろん風化もします。
風化した部分は、ゴロタ石と呼ばれ、表面がぽろぽろ落ちます。
恐らく、もうこのような状態は、水や風の強烈な浸食にさらされてきた証拠だと思います。
ああ、そういえば、花崗岩の対候性は高いのですが、割と熱には、弱い様です。
火事などにあった場合、表面がポロポロと剥がれ落ちますので、外壁などに貼ってあるビルなどは、火災は用心です。
花崗岩は、水の浄化にも一役かうそうです。
そんな理由から、昔、小学校などに大きな浄化槽が必要な時に、御影石を敷き詰めた様です。
現在は、FRP(強化プラスチック製)に代わって、役目を終えた浄化槽を解体しますと、無数の、花崗岩が割栗として、敷き詰められています。
石類は、産業廃棄物として扱いますと、料金がとにかく高いのです。
理由は、石の場合、コンクリートの様にクラッシャーにかけて砕石として再利用できますが、石は硬すぎて、業者がクラッシャーにかけても、再利用性を検討しても、ペイできにくいそうです。
しかし、用途を失ったからといって
「単にゴミだ」
と決めつけるのは、知恵のない事です。
石も木も土も廃棄すれば、単なるゴミです。
しかし、新たな用途を考えて、使えば最高の素材です。
素材がやっぱり重要なのだと思います。
職場でも、
「人の能力を決めつけて、こいつは出来ないやつだ」
と断定して、いる方がいますが、実はその本人の指示の出し方、
知恵のない事が、色あせた社会を作っているのだと思うのです。
今日はこの辺で。
ご拝読有難うございました。