コの字の中庭にある家と価格
2020/03/02
読者の皆様こんばんは。
最近、花粉が飛び交い、困っている方も多くいると思います。
辛い時期です。
さて、今日は、
「コの字の中庭にある家と価格」
についてお話したいと思います。
開発の手続きをしているときに、開発指導係から
「旧公図」をつけてくださいと言われました。
現在の見慣れた公図とは、違い手書きで描かれ、古地図を連想させるものです。
この旧公図によくあるのが、つげの櫛状になっている土地があります。
いわゆる、「うなぎの寝床」状の敷地が幾重にも連続し、まるで「くし」の様です。
京町屋なんかにもよくある住宅で、昔は、道路に対して、
大きく面している場合は、税金が高かった名残だそうです。
いわゆる、「間口税}です。
日本の住宅の場合、東西に長い建物は、日照、通風ともに有利ですが、
長屋の場合、南北に長くなり、その奥行きは路地状になります。
こうなりますと東西に長い住宅ではありません。
日照と通風に一工夫しなければ、快適な住宅になりません。
南北に長い土地にどう建てるかという答えに、
「中庭」
という空間を設けています。
この中庭で、奥にある空間に光を与えています。
更に、中庭には、陰陽の庭を意図的に設けて、通風を確保しています。
陽の中庭は、比較的大きく、日がサンサンと降り注ぐ、庭です。
樹木も日を好む大きな木々を植えています。
半面、陰の庭は、面積も小さく、薄暗い印象をうけます。
現代で言えば、
「坪庭」
のようなもので、日差しを遮り、日陰を好む樹木を植えています。
陽の庭は、陰の庭より有体にいって、南側に配置されており、
陽の庭で温まった空気が部屋を抜けて、陰の庭に抜ける事で、通風をおこす工夫をしています。
気象で言えば、高気圧から低気圧に風が流れる工夫を住宅でも取り入れ、
風を生むシステムを間取りでも、工夫していました。
自然系エアコンとでも言いましょうか、そんな事が先人の知恵にはあります。
当社も間取りがコの字の建物ですが、四方は住宅に囲まれていますが、
コの字住宅のおかげで、昼に照灯することはまずありません。
コの字の外壁形状ですと、何処かしらの外壁に風が当たり、渦を巻いて、窓から室内に風が入ってきます。
私の新築で住宅を設計する場合は、「坪庭」と「中庭」を意図的に設けます。
近年、ZEH住宅のキャンペーンを見かけますが、機械仕掛けの住宅でなくても、
環境にやさしい住宅は、古来から存在し、知恵が支えているのです。
環境を考えると、イニシャルコストとランニングコストがよく掲げられますが、
結局、ランニングコストはかからない事が大切であり、
その為にイニシャルコストをかける事が求められるのです。
しかし、イニシャルコストがかかりすぎると、コスパが悪いので、
イニシャルコストを抑えて、ランニングコストのかからない住宅を造る事が大事なテーマになるのでしょう。
ZEH住宅を進めている、大手住宅メーカーは、建った建物を見ますと、
平面形状が四角く、凹凸ない住宅を造っています。
不思議なものです。
そういえば、ゴミ収集は、昭和40年代、日本がポリバケツでゴミ収集をしているとの事で、
世界の各国が視察に来たようです。
その時、視察団は、大変驚いて、日本は随分、進んでいるなと感心して、
それを参考にして、欧州では、ポリ容器に変更したようです。
その後日本は、ゴミ袋になったようです。
では、今日はこの辺で。
ご拝読有難うございました。