工場と倉庫は、どの建設業者を選べばよいか。
2020/06/12
皆様、こんにちは。
職人バッカの千葉でございます。
工場や倉庫など、ご計画をされている経営者や担当者の方がいると思われますが、
一体、どの業者に頼むか、試行錯誤されていると思われます。
工場や倉庫は比較的規模が大きいので、要注意な事を列記します。
1、「在来工法」より「システム建築」が圧倒的に割安になる
2、「外構工事」は、思ったより割高である
3、「プレハブ業」や、「リース・レンタル業」経営主体の会社について
4、「開発許可」「法律手続き」を企画当初から、見積に計上できる「設計者」を探す
5、「工場内の排水管やエア管」は、工事費から漏れやすい
6、「おじいちゃん設計者、監督さん」しかいない建設業者は要注意
7、「打合せ記録」は、1週間以内に毎回、業者から提出してもらう
1、「在来工法」より「システム建築」が圧倒的に割安になる
これは、前回のブログでも紹介いたしましたが、躯体、屋根、外壁、シャッター等で圧倒的に「システム建築」が割安となり事をご紹介いたしました。
ご興味のある方は、前回のブログをご拝読ください。
2、「外構工事」は、思ったより割高である
総工事費の算定は、お施主様の会社でも「融資先の関係」や「工事費の予算組み」において、概要的でも総工費が必要だと思います。
A「建築工事費」は、割と算定が早くでる
「建築工事」に関して言えば、規模や建物の高さ、間取りが定まりますと、見積の算定は比較的に容易に計上できます。
B「外構工事」は算定額が流動的になる
外構工事は、許可や協議によって内容が変化します。
端的に言えば、「行政の言葉数で金額が変わる」事になります。
敷地や前面道路などの外構は、「許可や建築基準法や消防法」によって、様々な基準が義務付けてあります。この事によって、金額が大きく揺れたりします。
見積以前に行政との大まかな協議も同時進行していく事が重要です。
設計者不在で見積先行しますと、後で予測していない工事費が追加される事がよくあります。
C外構工事の目安の金額について
概算で建築工事の総工費に対して1.5~2割あるのが目安です。
1億の建築の総工費であれば¥1,500万~¥2,000万円くらいが妥当です。
切土盛土などの作業があれば、土や砕石の搬入出量数で、増額します。
3、「プレハブ業」や、「リース・レンタル業」経営主体の会社について
A「リース・レンタル業」「プレハブ業」の経営主体会社で、建築請負は可能か?
システム建築は、重量鉄骨の本格的建築ですが、「リース・レンタル業」「プレハブ業」が経営主体の会社が参入し、施工実績も多くあります。
理由は簡単で、システム建築は、躯体、屋根、外壁と大半の工程をメーカーが大半を管理しています。ですので、代理店が他業種の「プレハブ業」「リース業」でもできるという事です。
B「倉庫」「工場」では、建築に必要な技術が違う。
「倉庫」の場合、「箱もの」と呼ばれていて、基礎工事を除く、システム建築のメーカーで大半は工事管理してしまいます。
「工場」の場合、工場の生産ラインや間取り、機械設備、ダクトなどが複雑になり、場合によっては「プレハブ業」「リース業」での対応はできない事になる傾向があるようです。
2項でも紹介しました外構工事と内部生産ライン、内部造作がいわゆる建築的であり、手に負えない代物のようです。
4、「開発許可」「法律手続き」を企画当初から、見積に計上できる「設計者」を探す。
「設計者」の存在は、コストでの観点から、建設会社に一任すれば事足りると思われます。
では、「設計者」の役割とは、どういうものでしょうか。
また設計事務所に設計・監理を委託するメリットがあるか考えてみたいと思います。
A「設計者」は以外と役に立つ
建築士法は本来、建設会社とは違う立場で構成されています。
「お施主様」の権利保護の観点から、
「建設請負会社」は建設業法
「建築設計事務所」は建築士法で分けられています。
「お施主様」「建設業者」「設計者」の3権分立で、構成されています。
私見ですが、去年2019年竣工した重量鉄骨造の案件ですが、工期が4ヶ月ほど遅延した工事がありました。
当社は「設計、監理」でしたが、施工会社は別です。
工事依頼者のお施主様は、請負契約に基づき竣工後に工費を精査しました。
「施主」「施工者」は紛争的な状態となります。
そこで、第三者として「設計者」が調整する事になります。
もし、建設会社で一元管理した場合ですと、調整は難航する事は目に見えています。
そんな事から、設計部の実態がない建設会社、リース業・プレハブ業系建設会社は要注意です。
B「行政との事前協議」「生産ライン・各種機械配置」は事前に打合せして、当初から見積に計上すべし
予算組で困った状態は、竣工後の「追加工事費」です。
追加工事を如何に少なくするかも、計画通り工事が行えたかが重要になってくると思います。
見積作業は煩雑さを極めます。各種工事者から下見積りを取り寄せ、図面変更を修正して、見積に反映します。そうなりますと、行政やお施主様との事前協議は、後回しになりやすいのです。
いざ、工事請負契約を取り交わして、「開発許可」や「建築確認申請」を提出しますと、法的に必要な事項が明確に示され、後に工事費として計上されます。
「生産ライン・機械配置」も各種配管、空調機・換気配置なども後の打合せで明確に示されますと、追加工事になります。
5、「工場内の排水管やエア管」は、工事費から漏れやすい。
お施主様と事前に協議をしていますと、機械配置や作業動線の確認をします。
しかし、機械の動力や排水経路、エア管の配管経路などの事前協議はほどんど行いません。
お施主様と機械屋さん、建設会社(電気、ガス、水道、空調、工事管理)と設計者の協議も必要だから、協議する日程の調整にも難航して、工事契約前に協議する事なく、後回しにされます。
その為、契約前に提出される工事費には、機械廻りの配管等が工事費に計上されない事がよくあります。
建物の間取りが決定した時点で、「簡易工事契約」を建設会社と取り交わし、機械類の協議に臨まれますと見積が正確なものとなります。
6、「おじいちゃん設計者、監督さん」しかいない、建設業者は要注意。
「おじいちゃん設計者、監督さん」は、年の功で、ベテランに見えます。
A「おじいちゃん設計者」について
「おじいちゃん設計者」とは、60代半ば以上の方々です。
意外と、CADのオペレーティングができない方が多くいます。
当然、機械配置や建物のボリュームを具体的に検討する事になりますと、CADを扱えないのは致命的です。
名ばかりの設計者でしょう。
B「おじいちゃん監督さん」について
「おじいちゃん監督」とはやはり60代半ば以上です。
現場畑を経験してきた方は、豊富な経験に裏付けられた知恵があります。
しかし、リストラの憂き目にあって60代から監督を行っている方もよくお見掛けします。
少子高齢化で、若い監督がいない事にも一因があるようです。
経験豊富なベテラン監督は、高給取りですので、「本格的監督さん」を雇う余裕がない様です。
町場の建設会社には、「なんちゃってベテラン監督さん」が意外と多く存在します。
経験上、こんな監督は、100%の確率で現場で「もめごとの嵐」になりますので、要注意です。
監督歴が20年以上の方が3人以上いる建設会社を選ばれると良いでしょう。
7、「打合せ記録」は、1週間以内に毎回、業者から提出してもらう
当たり前のことですが、お施主様との打合せで、協議記録を付けます。
この協議記録は後に、どんな内容を取り決めたかが確認できます。
当然、打合せ後に建設業者がお施主様に提出し、相互に内容を確認し合う事が必要です。
現場が始まっても、監督さんや設計者と協議をして取り決める事も出ますので、そこでも書面の確認は必要となります。
意外かも知れませんが、建設業者には、記録の提出をしない会社は多く存在します。
こんな会社がいた場合は、見積提出時に、打合せ記録も期限を設けて、提出を望まれてください。
その結果、提出がない場合は、選択されないほうがいいでしょう。
ご拝読有難うございました。