ウッドデッキをDIYやリフォームで造る時のヒント【その2】
2020/05/15
皆様こんにちは。
コロナ対策で、医療従事者の方、飲食業の方や、観光業の方など、大変な時期に遭遇しておりますので、
経営者としても心より、応援しております。
共にこの難局を乗り越えましょう。
では、前回に引き続き、ウッドデッキの2回目です。
天然木(ハードウッド)
ハードウッドの代表する材料は、
イペ、ウリン、イタウバ、セランガンバツ、ジャラ、サイプレス、アンジェリーナ
などです。
これらの材料は、主に亜熱帯の東南アジアや南米産です。
成長過程で、虫や菌と戦いながら、腐らない様に毒などを内包して育ちます。
亜熱帯の虫も菌も強烈ですので、木も早く、丈夫に育たなければなりません。
その他にも、他の木々との成長で、早く伸びて、たくさんの日光を浴びたりする競争があり、同時にスコールなどの大量の雨などを受けて成長するので、大変タフな材料となるのです。
耐候性や耐腐食性などの総合的な材料性能の目安は、重さです。
簡単に言えば、重ければ重い材料ほど、タフです。
木材は、ハードでもソフトでも、白銀に退色します。
ですから、塗装のメンテは、3~5年に一度は必要です。
また、ハードウッドは当然硬質ですので、靭性(粘り強さ)がありません。
つまり、割れやすいという事です。
デッキを使用しているうちに、気づくと表面に細かな割れが発生します。
放置していますと、割裂は大きくなり、ささくれ立ちます。
ですから、素足でデッキを歩くのは、造った年の1年目がいいところでしょうか。
ハードウッドでも比較的靭性のあるイタウバでも多少の割れは発生します。
それでも、イペの様な激しいものではありません。
ウッドデッキを考える
「ウッドデッキが欲しい」
とお施主様から依頼があった時、気になる点がいくつかあります。
耐用年数と費用について
耐用年数は、価格と完全に比例します。
耐用年数の長い順番では、
テラス(石)半永久>テラス(タイル)半永久>ウッドデッキ(イペ)25年>樹脂デッキ(高性能製品)20年>ウッドデッキ(イタウバ)18年>樹脂デッキ(一般製品)15年>ウッドデッキ(薬注入)13年>ソフトウッドデッキ(レッドシダー)8年>ソフトウッドデッキ(SPF)3年
の順番です。
価格も同様の順番です。
参考として、手摺なし、ステップなしローデッキで、6帖ほどの面積で比較します。
価格を比較する
テラス(石)100万>テラス(タイル)95万>ウッドデッキ(イペ)65万>樹脂デッキ(高性能製品)60万>ウッドデッキ(イタウバ)55万>樹脂デッキ(一般製品)50万>ウッドデッキ(薬注入)45万>ソフトウッドデッキ(レッドシダー)40万>ソフトウッドデッキ(SPF)35万程度が目安です。
こうして耐用年数と価格を比較しますと、
「持つから高い」と言えます。
SPF材はツーバイフォーなどの構造材で用いられる松科の材木です。
耐腐食性はほとんどありませんので、耐用年数はありません。
しかし、デッキを職人が造る場合でしても、工程は同じです。
ハードも、ソフトウッドでも基本労務費はほとんど変わりません。材料費だけが安くなるのです。
しかし、「テラス」は半永久ですが、100万円に対して、
一番性能に安心のある木材の「ウッドデッキ(イペ)」は25年で65万円です。
結果として、耐用年数でいえば、
「ウッドデッキよりテラス」
のほうが、費用対効果でいえば、断然お得です。
経験上ですが、耐用年数があり、比較的経済的なのは、
構成材はアンジェリーナ材で、地板はイタウバの組み合わせです。
耐用年数は、塗装メンテナンスを怠らなければ、20年~30年は大丈夫だと思います。
次に、
メンテナンスについて
です。
樹脂デッキ以外の木製デッキ(ハードウッド、ソフトウッド、薬品注入材)は、塗料を3~5年に1回は塗布する必要があります。
樹脂デッキには塗装は必要ありませんが、清掃は必要です。
「ゴシゴシ」と洗ってあげませんと、コケやカビが発生します。
また、赤外線で表面の樹脂が分解され、粉がふいたりしますので、やっぱり洗浄は必要です。
テラスは、塗装は必要ありませんが、表面がつるつるした石やタイルですと、洗浄は必要となります。
石でもタイルでも、フェイスがごつごつした物で、色の濃いものを選定した場合ですと、汚れは気にならないと思います。
「裸足で歩く」とかの利用価値
デッキやテラスを設けると「子供達に裸足で遊ばせたい」と要望がよくあります。
現実的には、出来てから1年程度は可能です。
1年後は、ささくれなどの劣化で、実際には裸足で歩きません。
また、テラスや樹脂デッキでも、清掃後となりますので、裸足ではなかなか歩きません。
「デッキでバーベキューをしたい」と言われますが、デッキ施工したお施主様から後に訊きますと、
「バーベキューはやらないよ」と言われます。
デッキ等の利便性を考慮する。
デッキやテラスは、実際なんの利便性があるか、その本質です。
1、屋内と段差ない屋外空間がある事。
2、雑草などの除草作業が要らない事。
3、泥などで、靴などが汚れない事。
4、虫や爬虫類の屋内への侵入が少ない事。
などです。
結局、デッキやテラスの要望は、いかに利便性がよく、耐用年数があるかにつきます。
そうしますと、
耐用年数ではテラス>デッキですが、
費用ではデッキ>テラスです。
ウッドデッキは、お施主様がDIYでも、製作は可能です。
しかし、テラスは、生コンクリートや砕石を多量に使用しますので、
ダンプでの砕石、鉄筋、石やタイルなどの重量物の運搬が必要となり、
生コン車の手配など、煩わしい事ばかりです。
その為、業者依頼が必要となるのでしょうか。
今日はこの辺で。
ご拝読有難うございました。