木造の耐震診断と基準と補助金
2020/03/11
木造の耐震診断と基準と補助金
みなさま。こんにちは。
職人バッカの千葉でございます。
さて、本日は3.11で、東日本大震災の日です。
もう、9年前の事になるのでしょう。
当時、私はお茶の水にある大手の建築確認審査機関で、建築確認申請の審査に携わり、お客様と審査の相談を受けておりました。
突然、大きな揺れと共に、業務は停止し、事務所のバックヤードに戻ると、書類が散乱し、コピー機がひっくりかえっていました。
外部に避難すると、隣接するビルの頭部がぶつかり合い、ガス漏れの匂いが強烈に漂っていました。
その日は、明治大学に避難し、一夜を明かしました。
次の日は、大幅に電車のダイヤが乱れていましたが、帰宅できました。
審査機関であったので、色々な相談を当時受けました。
基礎の太いアンカーボルトから、完全に引き抜かれた柱脚部が、まったく別の場所にあった写真や、大きくせん断破壊された1mを超える鉄骨の梁が座屈した写真をみて、倒壊した建物の復旧方法をお客様と一緒に考えたりしました。
去年の暮に千葉県でも、台風15号、19号、集中豪雨によって、河川が氾濫した3連続の被災を経験しました。
3.11の東日本大震災とは比べられませんが、天災は本当に生活の全てを変えてしまうのだと痛感しました。
父の田舎が宮城県なので、3年前に帰郷したついでに南三陸町と気仙沼、大川小学校を訪ねました。
だいぶ復興が進んでいましたが、まだ爪痕が生々しく残っていました。
大川小学校のなくなった方々と震災の被害者の方々には心よりご冥福を申し上げます。
大手審査機関を退職後に、数件のリフォーム会社を渡り、木造の耐震診断を行うようになりました。
国土交通省の後押しもあり、地方公共団体も助成金を、積極的に支援し、幾度の耐震診断と耐震補強工事に携わりしました。
基準は、「木造住宅の耐震診断と補強方法」という一般財団法人日本建築防災協会から出されているものに従っています。
近年では、耐震の専用のソフトがあり、容易に耐震計算ができ、診断結果が出ます。
しかし、リフォーム会社にいるとき、現実に見た光景は、建築士を持たないリフォーム営業マンが適当な条件でソフトに入力して、診断結果を提出している事に驚きました。
前にも、ブログで紹介しましたけど、実際、リフォーム営業マンの前歴は、怪しい方々が多く、建築の知識も、不明な情報を活用して、お施主様に説明している現場を何度も目撃しました。
彼らは、悪気もありません。
建築知識が浅く、生活の為に単に売り上げを上げているのに頑張っているだけですが、お施主様にとっては残念な事です。
このソフトの使用には、建築の基礎となる概念が、必要です。
結局、ガイドラインとなる「木造住宅の耐震診断と補強方法」を熟読して、どう構成されているかをよく理解する必要がありますが、熟読せずとも、よくできた耐震ソフトは、容易にプログラミングが完了してしまいます。
そうなりますと、既存の建物において、ありもしない耐震強度がある様な状態で、耐震補強の計算が半自動的にされてしまいます。
結果的に、耐震基準に満たない耐震補強が設定されてしまいます。
役所の助成金制度でも、耐震の補強写真など事細かに提出を求められます。
本来一番大切な「基本設定」の部分の審査はありません。
そうなりますと、耐震強度の基本設定には、大半がノータッチとなってしまう事になります。
しかし、役所の助成金制度の場合は、耐震診断士が必ず関与しますので、多少の安心感はあります。
役所の助成金制度は、書類作成や施工管理に手間がかかる分、大半のリフォーム業者は、助成金額が少ない事を理由に、おすすめしない事で、リフォーム会社の営業マンが闇の耐震診断書を作成して、その工事をする実態が実在します。
耐震基準は、地震に耐える構造です。反して免振は地震の力を逃がす構造です。
免振は、幾度の揺れにも、力を逃がす方法が設計段階から考慮されていますので、理論的には、幾度の揺れにも対応ができます。
比べて耐震は、耐えられる回数に限度があるといえます。
つまり、耐震は揺れを逃がすのでなく、耐えるのですから、耐えられない状態になった場合倒壊します。
これを崩壊モーメント又は倒壊モーメントとよびますが、建築基準法では、地震の耐えられる回数に定めがありませんので、不運な場合、1度は大地震に耐えても、2度目の余震で倒壊する恐れはあります。
私が設計事務所で下積みの修行時代の時、構造設計の先生から、
「千葉君。地名には気をつけろ」と言われました。
「水を連想する地名は、住むんじゃない」「さんずいもダメだ」「池、沼、田、谷など付くところは気をつけろ」と言われました。
「まみむめも」も止めたほうがいいと言われました。
本来、命名には意味があり、「ま行」には。液体ややわらかいのものが多いそうです。
「ママ」もそうですか。信憑性は分かりませんが、女性の名にも「ま行」が多いとか。
いま住んでいるところは大網白里市でみずほ台ですので、言われたことを守っていませんが。
土地を購入するとき、色々調べました。
地盤、古地図、津波の歴史、洪水時の高低差、放射能の偏西風、ハザードマップなどで決定しました。
しかし、台風で街全体がやられましたが。
では、この辺で。
ご拝読有難うございました。