建築資材と埃と匂いとリサイクルになる材料たち
2020/03/31
読者の皆様。
こんばんは。
職人バッカの千葉です。
コロナで自宅待機されている方も多くいらっしゃるとおもいます。
いかがお過ごしでしょうか。
さて、今日は、「匂いと埃」についてお話したいと思います。
建築作業に従事していると、「匂いを埃」との共存です。
コンクリートや石の切断では、肺に蓄積される様な、「重い埃」と戦います。
石の埃にも、違いがあります。
玄昌石は「泥の様な埃」で、御影石は、「岩石に近い埃」です。
大谷石は「軽石の様な埃」で、埃が舞う感じです。
大理石の埃はなぜか、「漆喰と似ている埃」の気がします。
石の切断は、マスクがない状態で切断しますと、鼻の中が、真っ白になり、鼻毛がすぐ伸びます。
いずれにしても、石やコンクリートの切断では、ナウシカの様なマスクをします。
しかし、同時に眼鏡もかけているため、埃で真っ白になった粉塵なか、戦います。
レンズ越しに切断線を見失わない様に、用心して切断します。
こんな時は、
「眼鏡にワイパーがあればいいのになぁ」
と思ったりします。
鉄の切断では、前にも書きましたが、鉄粉に気を付けながら、切断します。
鉄の切断面は、恐ろしく切り口が鋭利で、用心深くなる材料の一つです。
鉄を加工しているときは、「蜂」を連想します。
「チックと危険」な共通点が思い出されるのでしょうか。
油断すると出血大サービスになります。
その点、左官などの材料は、大半が柔らかく、捏ねているとき、心穏やかな気分になります。
漆喰やタナクリームなどは、「海藻と貝殻の匂い」に似た匂いがします。
コテで撫でているときは、キュキュと硬化する感じがなぜか「歯磨き粉」を思い出します。
珪藻土は、漆喰と違って、クリームの様にコテの滑りがよく、やさしい香りがします。
泥と漆喰の中間という感じでしょうか。
建材の中で、香りと埃でいえば、一番のバリエーションを誇るのは、「木材」です。
木の加工の時、香りで言えば、大分印象が違います。
「檜、ヒバ、サワラ」は、針葉樹独特のさわやかで上品な香りがします。
「サイプレス」は、国産材にない強烈な香りがしますが、慣れればいい香りに感じます。
そういえばアロマテラピーに使用されていましたね。
「杉やネズコ」は、ぼそぼそした粉状の埃と、か弱く、安心するやさしい香りがします。
鉋屑は、美しくさえ感じます。
「松類」は、松の実の匂いがします。
脂ツボや脂筋という、樹脂の塊があり、伐採してかなり時間も経っていますがあふれ出たりします。
硬化している場合は琥珀に近い状態ですが、まだ柔らかさは残った感じがします。
「銀杏」(いちょう:公孫樹とも書きます)は、男木と女木があり、
伐採した季節で、匂いもだいぶ変わるようです。
2月の樹木が冬眠状態であれば、香りがあまりありません。
夏であれば、ぎんなんが腐った様な、強烈なスメルハラスメントになったりします。
「欅」は、なぜかアンモニア臭があり、すこし小便くさい感じです。
鉋屑はボソボソとちぎれた様な状態です。
「楢や栗、樫」などは、美味しそうな香りがします。
どんぐりや栗を煎った様な香ばしい匂いがして、お腹が空きます。
「シナ合板」の埃は強烈です。
研磨していると空気中に舞った塵が、目に着き刺すような微粒子状の埃で、ツンと鼻がやられます。
細かい粒子の塵は眼鏡に付着して、作業効率を悪化させます。
「ラワン合板」は、その点粒子が荒いのか、そんな風にはなりません。
いい匂いでいえば、「鬼クルミ」や「ブラックウォールナット」もいい香りがします。
大抵、脂っこい樹木は香りがよく、「木の実と同じ様な印象」をうけます。
「桜」や「チェリー」も香りで言えばいい匂いです。
和菓子の桜餅を連想させ、硬い材木ですので、加工性は決していいとは言えません。
3時のおやつ気分で、幸せになれます。
天然素材の石材、土、木材に関していえば、すべて後に再利用できる材料ばかりです。
現に、古材は、その代表格です。石材も用途を変えたりして、再利用可能です。
リフォームで残念なのが、昭和から浸透し始めた、新建材です。
これは、残す価値がありませんので、再利用しようと、やっぱり思えないのです。
最も残念なのが、解体時に無垢材であるのに、捨ててしまう材料群です。
床柱や框など、目に着く部分には、高級な材料が昔から使われてきましたので残念です。
現場の廃材でよく、家具や小物を造ります。
この間、娘が一人暮らしをするので、蓄えていた廃材で、家具を造りました。
加工しているときに、埃や匂いに囲まれて、やっぱり考えてしまう瞬間です。
今日はこの辺で。
ご拝読有難うございました。