建築のブランドとは、何だろう?手造り?無垢?
2020/02/08
みなさま。こんばんは。
今日は、建築のブランドについて考えてみます。
「ブランド」をウィキペディアで調べてみますと、「ある財・サービスを、他の同カテゴリーの財やサービスと区別するためのあらゆる概念、・・・中略・・・結果として消費者の中で当該財サービスに対して出来上がるイメージ総体。
それが現在のブランドの概念と言える。ブランドを冠して財やサービスを提供する側の意思を端的に表現するものとして、中略・・・広い意味では高級や低品質など関係無しに全ての商品やサービスに対してブランドと呼ぶ。
狭義としては高級品や一流品などを示す意味で使われる。・・・中略・・・一流メーカーの物を「メーカー品」と呼んだりする」とあります。
イメージの総体ありますが、物としての本質は、高級品や高品質を、呼ぶのでしょうか。
サービスとあるのもの側面でいえば、アフターの保証や安心性、模造品でない事の保証なども加味されるのでしょう。
ファッションの世界では、一口にブランドといっても
「オートクチュール」の受注品と「量産品」に分かれる様です。
貴族や財界人が発注する「オートクチュール」のイメージで、量産品を作るそうです。
当然、オートクチュールの場合、材料は最高級品であり、職人も一流のようです。
車でいえば、ロールスロイスが高い理由は、材料となる「鉄」を何年も寝かせるそうです。
オートマチック時計の高い理由は、職人が一流でありその「手間」によることのようです。
こう考えますと、「材と工」が本質にあり、
サービスという「プライド」が下支えして、「ブランド」になるのでしょうか。
そうしますと、建築では、同じことが言えるか考えてみましょう。
現在、プレカットの木造の30坪程度の住宅は工期が4~5か月程度で竣工してしまいます。
手刻みで工事をしても、5~6か月程度で、できます。
現在の建築は、「請負制」という、予め定めた「材料と仕事」をその者の責任において、行う「制度」が大半です。
しかし、過去の制度は「出来高制」というものが主流だったそうです。
「出来高制」は、予め定めたものでなく、「出来高」という、完成品を見てもらう。
認められた分の報酬を受けるやり方です。
こうなりますと、作り手側は、「不良個所」を残せません。
認めてもらった事が「対価」となるので、「職人の意地」を発揮しないと、安くたたかれるという図式です。
過去では、「職人はいかに手間を掛けるか」のが常識だったようです。
私も含めて、現在は大半が「請負制」です。
その為、「いかに丈夫で簡素に作るか」が時間短縮となり、「手間を掛けないか」につながっています。
しかし、職人をしていますと、本能的には、やっぱり「いいもの」を造りたいし、
「手間を惜しまず」
「いい材料を使ってあげたい」
という、気が働くのです。
いい材料とは?
板前さんやシェフでも、早朝から、港や畑にいって、「鮮度のよい魚や野菜」を仕入れにいきます。
これは、職人にとって人任せにできない本質があると思います。
いい店になれば、やっぱり人任せにできない「自分の目で確かめたい」という気持ちが働きます。
「高品質でなるべく低価格」が、最大のテーマですね。
「すごく良いものをリーズナブルな価格で提供したい」という職人魂がやっぱり、働きます。
建築でも、職人をやっていますと、フェイク材は使いたくないのが本音です。
まじりっ気なしの「無垢材」を、値段が高くならない様に、提供したいという気持ちがあります。
フェイク材は「人工物の化け物」ですから、使えば、そこそこ見栄えもしますし、
加工性の楽で、しかも湿度などの影響で変形もあまりおきないメリットがあります。
今日は、これくらいにします。
次回は、「フェイク材」と「無垢材」についてお話しいたいと思います。
ご拝読ありがとうございました。