杉板の外壁6(塗装編 塗膜塗装・浸透系塗装)
2026/04/10
杉板などの塗装について
外壁が木の板張りの場合、塗装の選定はことさら重要です。
塗装は木部の耐久性を左右するからであり、塗装が切れた状態が続くと外壁材の維持存続の生命線に関わるからです。
有名建築家の外装木部の腐食による「クマ被害」も、すごい話題性を集めています。
設計の段階で外部に木部を用いるのは、勇気と知恵が必要です。
社会的な名声や学歴では、補えません。
特に、樹種と塗装の相性や、樹種と塗料の特性を十分に理解することです。
木部を外装に用いる場合、塗装や小口の板金保護は腐食防止や、コケ・菌類の付着の観点から重要です。
木材の耐久性の順列
外装の木部の耐久性の順列で言えば、板金被覆→石化→炭化→浸透塗装→塗膜塗装の順になります。
樹種の耐食性能の順列
樹種の順位で言えば、ハードウッド類→ヒバ→レッドシダー→サワラ・檜→杉の順です。
どんな高価な塗装を塗布しても、外部に合板、集成材や松材、杉白材を露出させるのは、当社では、ご法度です。
どんな塗装剤を数回塗布し、経年劣化に備えた場合でも合板や集成材の様に貼り合わせ材は接着部の剥離が心配です。
松や杉白材は、耐水・耐食の観点から露出部に用いるのは、塗装の劣化があった場合、その材そのものの抵抗力が必要になるからです。
工務店やビルダーがいいと判断しても、仕様決定権者は、施主と設計者によるものだと思います。
「クマ被害」にご注意を。
塗膜塗装について
塗膜塗装が順位で最下位なのは、塗膜がはがれた状態ですと、木の表層面にホールの様な塗膜保護面のない部位が露出します。
返ってポケット状の木の表層部を腐食させる恐れが部分的に集中する部分を設けるからです。
外部木部の塗装は、浸透系が大半で、塗膜塗装をしない理由がここにあります。
浸透塗装について
浸透塗装の場合、木の表層内部まで、オイルステイン剤の薬が効いていますが、経年劣化と共に、油分やその効能は失われます。
ですから定期的な塗装を繰り返す必要があります。
建設初期時は材そのものが持つ耐食免疫力があります。
その為、剤が揮発する5年で塗直しをすると仮定し、劣化進行周期は縮まるので、次は2年に1回づつ、塗装を繰り返すと仮定します。
ガラス塗装も浸透系塗料に分類されますが、オイルステインより蒸発率が極めて低いのが特性でから10年メンテナンスなしと仮定したとします。
塗装の場合、塗りなおしの判断は、建築基準法には記載がありません。
唯一、維持保全について第8条に記載があり管理者の建物に対する維持保全があります。
その為、塗装の回数に関しては、参考であり指標はあくまでも仮定となります。