一級建築士7 成績順位
2024/07/25
成績順位
子供の頃のいつの日からか、親から勉強ができない子という烙印を与えられて、育った。
宿題や勉強をしないとご飯が食べられないという、家族の掟があった。
机の前に座っても、何を勉強するか途方に暮れて、解き方も判別しなかった。
読書は、周囲にある本や与えられた本に興味がまったく持てなかった。
飯抜きは、日常だった。
小学高学年から学習塾に通ったが、成績順に席が定められ、常に最下位だった。
塾にいくと宿題を忘れ、塾の屋外の軒下のコンクリートたたきが定席となった。
正座しながら、薄暗い外灯の下の宿題をするのが常だった。
テストの結果はいつも廊下に貼り出され、クラスでも最下位の記憶しかない。
このころはっきりと、勉強は最大の敵であった。
「バカ」の烙印を親に限らず、自覚した。
到底、まなびの楽しさなど、知る由もなかった。
二級建築士資格を取るため、某学院に通い始めた。
22歳の春、建築士の受講後にテストをする。
帰り際、テストの結果を成績順に貼り紙が張られいたので見にいった。
最下位から上位順に自分の探して、2枚目で止めた。
名が載っていないので、事務局に文句を言いに行った。
「そんな事ないですよ。絶対あります」
「名とバーコード番号に間違はありませんか?」
名とバーコードは提出前にしっかりと確認をしていた。
「じゃ、一緒に確認しましょう」
事務員と200名近い受講者の結果表で自分の名を探した。
「ありました」
事務員が一番左の上を指して云った。
左上は、最上位の表示される所だった。
過去の習慣は、無意識に最下位周辺を探していた。