道路の許可2
2024/02/10
床面積の取り方は、本来得意分野の筈です。
大手の民間の審査機関で、5年5か月にわたって審査に携わっていたのだから。
焦点となったのが、車庫面積の算定の範囲であった。
片持ち梁で飛び出したバルコニー下の床面積が、違うと判断された。
「床面積の算定方法の解説」住指発第26号の解説をよみ、集団規定の適用事例の床面積欄もくまなく、確認して、提出したものだった。
当方の考えは、バルコニーの先端部にあるALC版の中心迄にあり、その範囲を床面積の算入にしたが、あくまで先端まで算入することと
判断があった。
わずか中心~先端までは、65mm差なので、大きな面積差ではないが、壁に代わる中心があれば、その範囲でいいと思っていたが、
チェックバックがあった。
庇の様に、壁の中心がないものであれば、先端が算入範囲と判断されるのは、理解できる。
鉄骨ALC外壁であれば、床面積の範囲は、壁の中心に囲まれた範囲と定めているはずなのに。
再度、確認してもらったが、部署内でも、同じ判断だったと説明を受けた。
国の定めた基準に、部署の判断だったら、国ではないかと思う。
でも、ここは
許可であり、権者が役所あるため、「勝てる戦」でもないので、黙って算入することとしたが、腑に落ちなかった。
この指針等に記載があるのに、修正が発生すれば、代理者の能力で時間を要したことになる。
この作業で、時間が増えたのであれば、代理者や設計者等の責任であると断言はできる。
しかし、指針等に細部にわたり、基準、原則の記載がなければ、行政に対応しているあらゆる各々の代理者も同様の理解で、作業し、更にその修正作業が発生して、非常に非効率的な修正を代理者も役所もお互いにしていると思う。
審査会に提出する状態に整っても、部数もかなり多い。
また、道路に関する許可は、当該計画地だけでは済まない。
当然、当該敷地の謄本やら公図は必要だが、「空地状通路」の道路には、公道ではないので、所有者がいて、これを利用する近隣の方々もいる。
この「空地状通路」を使用していなくても、「空地状通路」に接する方々の対象者となる。
実際、許可申請の提出できる状態に整ったとしても、面倒なのが、この近隣対象者の方には、
申請書に実印の押印をもらう。
この押印が実印であることを証明する為に、各々の印鑑証明書が必要で、厄介なのは、代理者では取得ができない。
その為、近隣対象者の方々に、印鑑証明書を役所で、取得してもらい、受け渡していただく事をお願いする。
近隣対象者の方々の謄本も必要で、印鑑証明書も同意してもらった押印も提出する3か月以内でないといけない。
この作業は、関係者全員が理解を頂いて、3か月以内に完了する事となる。
次回につづく
そうすると、近隣対象者の方々には全て出そろった状態を3か月以内で行ってもらう時限付き、慌ただしい作業となるのです。
添付する公図や謄本も、事前審査で使ったものは、すでに3か月を超えている為、新たに全てのものの取得が必要となる。
こんな、ややこしい道路らしきものの許可手続きが煩雑で、手間暇が掛かるのは、仕事なので、一定の理解はしている。
ただ、インフラに関する手続きは、一抹の虚しさは覚える。
近代国家の日本の道路が、基本的なインフラ整備でさえ、できていないことで生じる手続きは、虚無感であり、何とも言えない。
果たして施主や代理者の手続き上の問題なのだろうかと本質的な部分を考えてしまう。
ただ、設計者は、建物が永続的に安全に建ち続けてもらいたい設計がしたいだけなのだから。
ご拝読ありがとうございました。