木材「檜」について【その1】
2020/05/01
皆様、おはようございます。
四月も終わり、ゴールデンウィークなのですが、「ぱっと」しないですね。
コロナで自宅待機を余儀なくされている方も多くいると思われます。
暇つぶしだとおもって読んでいただければ幸いです。
今日は、檜の話です。
檜は、日本を代表する木材です。
檜の語源は火を起こすのに用いられ、「火の木」という説と、
尊く最高なものを表す「日」をとって「日の木」が由来だとかの説です。
檜の木目は、やや、黄色かかった白に芯材や節部分はピンクです。
脂分が多く、対腐食効果のある材料です。
檜は、加工性の良さ、香りの清々しさ、狂いの少なさから、
野球やサッカーで言えば、万能な選手です。
どんなポジションでも、任せられる頼もしい材料で、「ファンタジスタ」です。
下地材でも、化粧材でも、どんな構造材でも、床材、屋根材でもこなします。
見逃せないのが、土台です。
土台は、柱を受ける重要な部材ですので、腐食しやすい材料には任せられません。
国産材で考えれば、土台のポジションの順番は、檜葉(ヒバ)、栗、檜です。
ほかの材料は、薬漬けにしたものでないと負けてしまいます。
「あれ?屋根材?」と思われた方がいるかも知れません。
屋根材には、檜の樹皮を使います。
これを檜皮葺(ひわだぶき)といいます。
檜皮葺は、古来から社寺建築や茶室などに用いられてきました。
江戸時代以前は、瓦が高価であった為、住宅でも使われてきました。
屋根が軽い為、屋根上に桟木を横に通して、玉石を置きました。
時代劇のセットでみる風景の屋根です。
調べてみますと、奈良・平安時代では公的建築は瓦葺き、私的な天皇私邸などは、檜皮葺きであった様です。
いずれにしても、屋根で言えば格式が最も高いのが檜皮葺きであります。
現代では、建築基準法の第22条に屋根を不燃化する法律があるのですが、ある程度建物が密集している地域では、この「22条地域」に指定されていますので、用いる事ができません。
檜皮はもうほとんど、流通量がありません。
ですので、非常に高価で希少な材料となってしまいました。
檜皮を固定するのに、竹釘を用います。
檜皮葺きは、日本らしい曲線美が最大の魅力です。
一面に葺かれた屋根は、日本の文化に溶け込み、神格化された幻想的な質感です。
しかし反面、威張った感のない日本らしい「ワビサビ」が魅力です。
檜は神木でもあります。伊勢神宮で使われる木も全て檜です。
これに見習って、神社建築の構造材は檜が主です。欅も使います。
自宅で祭る神棚もここから、「檜、欅」で造られています。
日本書記には「スギ、クスノキは舟に、檜は宮殿に、槇は棺に使いなさい」と書かれています。
「杉や楠」は大きく育つものが多く、舟と言ったのでしょうか。
対して「檜」は、成長がやや遅く、国産の最高樹齢が450年物であるいえば、意外と檜の大木が少ない事も頷けますね。
今日はこの辺で。
ご拝読ありがとうございました。